2025年3月23日(日)
「『おく』哲学対話?」
(小学生クラス)in 竹芝
キッズクリエイティブ研究所の3ヶ月シリーズの最後の回です。
今回は「『おく』哲学対話?」を行いました。
ゲスト講師:藤中 康輝さん(アーティスト)・鳥羽瀬 有里さん(NPO法人こども哲学おとな哲学アーダコーダ)
■「おく」って?
物を置いたことある?
今日みんなでやる「おく」は・・・?
だれかと順番に白いところに物を置いていってそれが作品になります。
でも今日はおしゃべりすることはできません。
(*「おく」はゲスト講師の藤中さんの作品です。 https://fujinakakoki.myportfolio.com/oku )
■「おく」をやってみる
会場に準備されたいろんな物。
キッズクリエイティブ研究所のみんなにとってはいつも何かをつくるときに使う道具や素材もたくさん。
何を置くか選んで、それをどこに置くか?というシンプルなアクションを一人ではなく誰かと一緒に交互に連ねる時間。
ただ・・・
特に境界線はないのに自分がいる方にばかり物を置いたり、
相手が置いた物に関係なく、自分が好きなものを好きに置いたりするキッズも多かったのです。
そこで(白いところにおかれた物を見ながら)「これって相手と作品をつくるになっている?」と聞くと
「!」となりました。
■「言葉を使わなくても対話ってできる?」
今度は哲学対話の時間。
さっきはおしゃべりできなかったけど、今度はおしゃべりする時間。
少しだけその様子をご紹介。
「対話ってなに?」
「話しかけること」
「話しかけるだけで対話になる?」
「ちがう、話しかけて自分のきもちを伝えること」
「あ、ちがう。話すだけじゃなくていろんな方法できもちを伝えること」
「じゃあ言葉を使わないで対話できるかな?」
「手話とか」
「ジェスチャーとか」
「紙に絵を描いたり」
「サッカーしたいときはサッカーボールもってきたり」
「でも手話は手話を知らないと伝えられない」
「やっぱりサッカーボールをもっていけばいいんじゃない?」
「でも赤ちゃんは"サッカーボール"が何かということがわからないから伝わらないんじゃない?」
「サッカーボールを蹴ったりすれば「あそびたい!」という気持ちは伝わるんじゃない?」
みんなの言葉があふれていきます。
■おしゃべりな世界を「おく」でつくる
おしゃべりできないのに、おしゃべりな世界をつくれるのかな?
はじめにやった「おく」よりも、作品がダイナミックに変化していきました。
"おしゃべり"を"にぎやか"と捉えて「おく」をするキッズが多かったです。
たとえば・・・
にぎやかな街をイメージしてものを「おく」ひと、
音が鳴るものを「おく」ひと、
雨の音をイメージしてものを「おく」ひと。
それぞれが思う"おしゃべり"や"にぎやか"なイメージが静かにおかれた物によって交差しながら作品が作られていきました。
***
今日はいつもとちょっと違う「つくる」を「おく」でやってみました。
自分だけでつくるのではなく"だれかと"「つくる」のはどんな気持ちがしたでしょうか?
おしゃべりできない時間はどうだったかな?
「おく」では、よく"見る"こと。
「哲学対話」では、よく"聞く"こと。
それらがとても大切でした。
"見る"と"聞く"ってちょっと似ているかな?それを通して何をかんじて、かんがえて、つくって、つたえられたかな?
創造表現でベースとなるとても大切な行為だとかんじます。
それと今日のワークショップでお約束の1つにあった「途中で意見や思っていることが変わってOK!」というのも、これからのみんなの「つくる」を応援してくれているような気もします。
3か月間、ありがとうございました!!!
またどこかでお会いしましょう。
○▲◇受付中の研究所○▲◇